鍼灸治療とは全身に点在するツボへ鍼や灸を用い、多様な疾病への治療や健康増進を目的とする東洋医学のひとつです。

『腰の痛み、足のしびれやむくみ』 『肩・首・背中の痛み、張り、重だるさ』『筋緊張性頭痛や眼精疲労』

このような症状には鍼灸治療がおすすめです。 

鍼灸が特に効果を発揮する症状

急な腰痛に対する鍼灸効果

 いわゆるギックリ腰と呼ばれるものです。
 脊椎に異常が見られない場合、筋肉の炎症によるものが多く、鍼の施術で十分な効果が得られます。

慢性腰痛に対する鍼灸効果

 腰痛が3か月あるいは6か月以上痛みが続く場合です。原因や痛みの状態は様々で、幅広い年代に見られます。ほとんどの腰痛の場合、筋肉が固くなって痛みが出ていたり、無理な力が入って関節や関節につく筋肉を傷めている場合が多く、鍼やお灸で血流量を増やし筋肉を柔らかくすることで効果が得られます。

肩こりに対する鍼灸効果

 肩こりの原因は様々です。
 最近ではスマートフォンやゲーム、読書など長時間同じ姿勢でいることにより、首の骨が不自然に真っ直ぐになってしまう(ストレートネック)、冷えにより肩の血流が悪くなり筋肉が固まる(冬場だけでなく夏場はクーラーで)、パソコンやスマートフォンの見過ぎやドライアイで眼精疲労からくる肩こり、歯痛からくる肩こりなど個人の生活環境から様々な原因が考えられます。鍼やお灸で筋肉をほぐし、血流を良くし、コリの解消、痛みを取り除くのに効果的です。
 肩こりは、ほおっておく時間が長ければ長いほど、筋肉の緊張と疲労物質がたまり、改善するまでに時間がかかります。

頭痛に対する鍼灸効果

 緊張型頭痛・片頭痛・PMS時におこる頭痛には鍼灸は効果的です。
 頭痛のメカニズムはまだはっきりと解明されたわけではなく、個人差、気圧の変化、生活環境などで起こる回数や頻度が違います。
 薬に頼っていると胃が荒れたり、薬が効かなくなってきて薬の量が増えたりと身体には良くありません。
 首や肩の筋肉の緊張を取ることで、脳への血流量を増やしたり、自律神経を整えたり、生理周期のホルモンバランスを整えイライラを抑えることで改善が見られます。
 ただ、頭痛に関しては、病院の受診が必要な場合がありますので注意が必要です。
 鈍器で殴られたような頭痛、手足のしびれや麻痺をともなう頭痛、熱をともなう頭痛、急に起こり短時間でピークに達するような頭痛は急を要しますので、早めに近くの病院へ行くことをおすすめします。

不眠症(睡眠障害)にも効果的

 はりやお灸で全身を調整することで、自律神経のみだれを鎮め、精神的な興奮を抑え、正常なリズムを取り戻せます。長期にわたり睡眠障害をお持ちの方は薬との併用にはなりますが、徐々に薬の量を減らしていくことも可能です。ほおっておく時間が長ければ長いほど、リズムが戻りにくくなるので、初期症状の段階で、症状が軽いうちに鍼やお灸をすることをおすすめします

 

よくあるご質問

コリには、はり・お灸が効くの?

 全身の筋肉は、動作時において収縮と弛緩を繰り返しますが、長年使ってきた身体は、生活習慣の悪習、筋肉の衰え、姿勢の悪さ、身体のバランス軸のずれなどにより可動域に制限がかかり、筋肉は弛緩できず収縮を強いられています。収縮により筋肉内の血管は細くなり、疲労物質や発痛物質を外に出すことができなくなります。この状態を一般的にコリと言います。そのコリを、はりで刺激を与えたり、お灸で深部から温めたりすることで、締め付けられて細くなった血管を拡張し、血流の改善をうながします。筋肉内では、溜まっていた疲労物質や発痛物質が血流により流されて、コリの解消や疲労回復が促進されます。

鍼って痛い?

 刺入時に少しチクッとする時はありますが、我慢できない痛さではないです。使用する鍼は髪の毛よりも細く、皆様がイメージされてる注射針とは太さが異なります。注射針の太さは0.65mm~1.2mm。鍼灸の施術に使用する鍼の太さは0.12mm~0.22mmですのでかなり細いです。また当院では、刺入時に痛みを感じにくい「無痛鍼管タイプのディスポーザブル鍼」を使用していますので刺入時にスムーズに刺入でき、技術的にも鍼の刺入時に痛くならないようにするやり方もあります。最初は怖がっていた患者様も施術を受けた後は、全然痛みを感じなかったとおっしゃいますので安心してください。

鍼での感染症が心配なのですが大丈夫ですか?

 使い捨ての鍼(ディスポーザブル鍼)を使用しています。鍼の使いまわしは一切ありません。一回使った鍼は必ず捨てますので安心してください。それ以外の器具も使い捨ての物を使用したり、必ず消毒をしています。また治療の際は鍼を扱う手指と患部も消毒しますので安心です。

時間はどのくらいかかりますか?

 施術にかかる時間は患者さんの症状によって異なります。じっくり時間をかけなければならない場合と、炎症が激しい場合は幹部はあまり触れないので短く切り上げる場合など症状の状態によって時間は違います。

小児鍼って?

 乳幼児・小学校低学年くらいまでは、刺激に敏感なため鍼を刺しません。特殊な鍼(皮膚を破らない鍼)で施術を行います。夜泣き、夜尿症、小児喘息などにも効果が期待できます。

お灸って?

 お灸とは、艾(もぐさ:ヨモギを乾燥させたもの)に火をつけてあたためるものを言います。お灸をすえると全身の血行が改善します。またお灸をすることで、血液中の白血球が増加することが証明されていますので、免疫力や自然治癒力を上げて身体を強くします。身体の冷えを改善することに効果を発揮します。

お灸って熱くないですか?

 お灸には、様々な方法があります。直接すえる灸の場合、米粒より小さい大きさにひねりますので一瞬熱い感じがします。間接灸の場合、輻射熱で温める温灸と言われているもので、この場合は気持ちの良い温かさを感じます。

お灸の治療に何分くらいかかりますか?

お灸の方法により時間は違います。数分から数十分までかかる場合があります。

副作用は?

 お薬のような副作用はありません。ただ初めての方や寝不足などで免疫力が低下している方は、鍼あたり・灸あたりといって、施術後に運動した 後のような気だるさ、重だるさ、眠たさなどが出たりします。ただこれは、はり・お灸の反応で身体が治そうとする反応でもあります。少し休んでいただいたら収まりますので安心してください。しっかりと水分摂取をしていただき、その日は早くお休みください。また施術後、激しい運動、過度の飲酒は控えてください。

はりやお灸は、どれくらい受ければ効果がありますか?頻度はどのくらい?

 はりもお灸も1回の施術でだいたいの患者様に改善が見られます。ただ症状や個体差によって効果は異なります。症状が軽い内に施術を受ければ数回で改善が見られますが、何十年もお身体をケアせず慢性化してしまっていれば改善までに時間がかかります。また、施術後身体が良くなっても、普段の姿勢や生活習慣を見直さないと筋肉が悪い状態に戻ってしまいます。一番おすすめしているのが、最初は1週間に1回詰めて来ていただいて、症状の状態をみて、月2回、月1回とだんだん回数を減らしていきます。また、家でのストレッチ指導も行います。

鍼で内出血しますか?

 慎重に血管を見て避けながら施術しますが、やはり多少することがあります。血管が細い方、薬を飲まれている方、高齢者などは毛細血管に鍼が入った際に内出血しやすいです。特に顔は毛細血管が多いため、美容鍼の際多少出血することがあります。内出血に関しては個人差はありますが、約7~14日で必ず消えますし痕も残りませんので安心してください。処方薬、体質等はあらかじめお伝えください。

パルス鍼(電気鍼)の効果は?

 鍼を筋肉に刺したまま電気を流すと、筋肉を直接動かすことができますので血流改善に効果的です。さらに電気を流すことで脳内から鎮痛物質が出てくることが研究で分かってきています。よって、肩こりや腰痛のような慢性的な症状、ギックリ腰や寝違えのような急性的な症状まで痛みをとるのに効果的です。